【熱中症】薬剤師のセミナーレポート

セミナー

今年も暑い夏がやってきました。

年々暑さがひどくなってきており、興味があったので熱中症セミナーに参加しました。

その時の事を忘れないように書き残したいと思います。

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去年の熱中症の人数

2023年度 5~9月の累計者数で

救急搬送される半数が高齢者で約55%で最も高く

救急搬送される半数が軽症者で約67%でした。

発生場所トップ3は住居39.9% 道路16.6% 屋外(駅や駐車場)12.8%となりました。

熱中症の発生場所は住居が一番多く、屋外よりも屋内の方が多いことが分かります。

意外だったのは、熱中症の発生場所が屋外ではなく、住居で1番多いと言うのは驚きでした。

推測ですが、クーラーをつけない高齢者の方が多いのかなと思いました。

熱中症リスクの指標となる暑さ指数

熱中症になる原因は気温と湿度と輻射熱が関係しています。

この3つの指標を取り入れた指数が暑さ指数といいます。

ちなみに輻射熱は日中温められた地面やコンクリートの壁などから発する熱等の事を指します。

今までは熱中症警戒アラートだけでしたが、R6.4.24から熱中症特別警戒アラートを新設されました。

これは暑さに注意、というレベルを超えています。

命を守る行動をしてください。

冷房の効いた施設に避難してください。

というようなことが書かれています。もはや災害です。

年々暑さが増してきているので、外で過ごす予定がある方はアラートを確認してください。

暑さ指数(WBGT)31以上の日数

熱中症予防サイトより引用

先ほどの暑さ指数の表です。暑さ指数が28を超えると一気に熱中症患者が増えてきます。

去年は、全国の8月で約2日に1回のペースで熱中症のリスクがあったそうです。

熱中症の要因

環境(気温や湿度。エアコンを使わない)とからだ(年齢や脱水などのコンディション)と行動(激しい運動や長時間飲めない)が要因となっています。

脱水の原因

  • 大量発汗
  • 発熱
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 熱傷
  • 利尿薬
  • 二日酔い
  • 食欲不振

などが原因と言われているそうです。

当てはまる項目が多いほど脱水に陥りやすいので、当てはまる方はこまめな水分補給をお願いします。

体重に占める水分量

乳児約70%子供約65%成人約60%高齢者約50%

このように言われています。水分量だけ見ると、やはり高齢者が熱中症になりやすいのも頷けます。

一日の水分出納

入ってくる水分出ていく水分
食べ物 約1L尿・便 約1.6L
飲み水 約1.2L不感蒸泄 約0.9L
代謝水 約0.3L
トータル 約2.5Lトータル 約2.5L

意外に思えますが、ご飯からの水分摂取が多いですよね。

なので、夏バテで食事を抜いてしまう時は特に注意した方がいいですね。

1%水分量が減少するだけでのどが渇きを感じると言われているので細かな水分補給を心がけたいですね。

代謝水…摂取した食べ物が体の中で分解されるときに生まれる水の事

不感蒸泄…発汗以外の皮膚や呼吸からの水分喪失の事

脱水のチェックポイント 体の状態

  • 喉が渇いている
  • 食欲がない・食事量が減った
  • お酒をたくさん飲んだ
  • 尿の色が濃い(茶色っぽい)
  • トイレの回数が減っている
  • 頭痛や頭がぼーっとする
  • 立ちくらみがある
  • 大量に汗をかいた
  • 肌やくちびるがカサカサしている
  • 発熱がある
  • 嘔吐している
  • 下痢している
  • 利尿作用がある薬を服用している

などがあります。

脱水になりやすい子供と高齢者

子供と高齢者は脱水になりやすいそうです。

子供は、汗腺などの体温調節能力が未発達(上手に汗をかけなかったりする)

体重当たりの対表面積が大人より大きく、高温時や炎天下では深部体温が上がりやすい(熱がこもりやすい、身長が低いため地面に近いほど気温が高いため大人より暑い環境になりやすい)

適切な水分補給行動が身についていない(のどが渇いていることを忘れていたりする)

対して高齢者は、体温調節能力の鈍化(暑いと感じにくい)

熱放射能力の低下

体液量の低下によりのどが渇きにくい

食事量の減少

などが挙げられます。

熱中症の種類

医療法人財団 日扇会第一病院から引用

重症度には3段階あります。医療機関にかかる方がいいのかは迷うと思いますので、この後ご紹介します。

熱中症には時差式の熱中症もあります。

日中に暑いところにいて、その日の夜や翌朝に症状がでることもあるので注意が必要です。

またプールや海だと汗をかいてる感じがないため、熱中症の盲点になりやすく、めまいや立ち眩みなどがあると水害が発生する恐れがあります。

熱中症かなとおもったら

熱中症を疑う症状がある 
YES→大量の発汗/めまい/立ちくらみ/筋肉痛/こむら返り等
呼びかけに答えるか
YES→涼しい場所に移動し体を冷やす
NO→救急車
自力で水分を摂れるか
YES→水分・塩分の補給(経口補水液)
速やかに医療機関に受診
症状が改善しているか
YES→充分に休息を取る
NO→速やかに受診する

呼びかけに答えるかの項目でただ「はい」などの返事ではなく受け答えができるかどうかで判断。

自力で水分を摂れるかの項目で、自分でペットボトルの蓋が開けられないくらい力が入らないなら受診推奨です。

水分補給するときは、経口補水液をまずは1本頑張って飲んでもらうようにして下さい

熱中症にならないために

適切な室内環境、直射日光を避ける、こまめな水分補給が大切です。

エアコンを使うことはもはや必須です。

高齢者に多いそうですが、エアコンの風が苦手な方がおられます。そのような方は、長袖を着てでもエアコンはつけて欲しいそうです。

水分補給のポイント

  • おおまかな補給時間をきめる(午前中ペットボトル1本、午後も1本飲むなど)
  • アルコールは水分カウントしない
  • 起床時・外出前後・入浴前後は忘れずに
  • 状況に応じた飲料の選択

状況に応じた飲料の選択はこの後お伝えします。

経口補水液とは

小腸で素早く吸収できるように脱水によって失われた水や電解質を経口的に補うことを目的とした食品のことです。

一番有名なのは「OSー1」ではないでしょうか。

熱中症かなと思ったら飲んでいただいて大丈夫です。

食塩相当量を一つの目安に

経口補水液は実は種類が色々あり、どれを選んだらいいのか迷いますよね。

しっかり食事がとれていたり、しっかり涼しい部屋で対策できていれば水やお茶で問題ないです。

その後脱水が進行するにつれて、塩分濃度が濃いものを選ぶのが一つの目安だそうです。

最近は経口補水液を予防的に飲むという方が増えてきているそうです。

経口補水液は毎日飲むようなものではないのです。

日本人の平均塩分摂取状況

厚生労働省から引用

日本人は世界的に見ても、塩分の摂取量が多いです。

厚生労働省から引用

WHOの基準からも大きく逸脱しています。

熱中症予防で塩分を摂取するのがいいと聞いたことがあると思います。もちろんその認識で間違えていません。

しかし、食事をしっかりとれている方は大丈夫です。

表から見ても、普通に毎食しっかり食べていると、それだけで塩分過多です。

なので日常的に塩分を追加を取らなくていいです。

商品紹介

このセミナーの中で紹介のあった商品を紹介します。

先ほど述べたように、塩分濃度で日常的に飲むのもなのか、熱中症になりそうなときに飲むのかを判断してもらえればと思います。

食塩相当量0〜0.09g0.1〜0.19g0.2〜0.29g0.3g
水  お茶
ウォーターメイト
スポーツドリンク
アイソトニックゼリー
アクアソリタ
アクアライト
アクアサポート
OSー1
のみや水

←に行くほど日常的に飲む                      脱水になっていたら飲む→

この中で気になったのがウォーターメイトとOSー1です。

ウォーターメイトは塩分濃度がかなり低く、日常的に飲んでも塩分の摂りすぎを抑えることができます。

なので、熱中症予防で経口補水液をなるべく毎日摂りたいと言う方にはいいと思います

また、スティックタイプなのでお水さえあればどこでも作ることができるのもいいですよね。

OS−1は少し塩分濃度が高めに設定されており、脱水傾向のときには進んで飲んでほしい商品です。

1番有名だと思いますのでいろんなところで販売されているのも利点の1つです。

脱水傾向は熱中症だけでなく、ひどい下痢や嘔吐でも使えるので、1本ストックしててもいいと思います。

OS−1は飲んだことがあり、新しくりんご味が出ています。りんご味の方が圧倒的においしいので、りんごは味をお勧めします。

またゼリータイプもありますので、小さなお子さんや高齢者の方にも使いやすいと思います。

まとめ

セミナーを聞いていると、知らなかったことがいくつもありました。

熱中症患者の中で一番多いのが屋内というのが驚きでした。

また、いや水分摂取にご飯がそこそこ関わっているというのも、新たな発見でした。

三食しっかり摂れていれば、かなり塩分を摂っているため、追加で塩分を取る必要はないと言うことも初めて知りました。

まだまだ勉強不足と言うことを実感したので、また他のセミナーがあれば聞いてみたいと思います。

自己紹介
あと

30代フリーランス薬剤師。社会人として働いてきた中で知ったことや体験したことを投稿しています。月に1回の国内旅行や趣味のゲームについても発信していきます

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